2020.10.07

オータムカップ2020にかける想い。〜中央大学樋口選手インタビュー〜

10月10日(土)から11月7日(土)にかけてオータムカップ2020が行われます。コロナウイルス感染症の影響でトーナメント、リーグ戦が中止となり、今シーズン初戦となるがインカレ出場をかけた負けられない戦いとなる。


今回は中央大学#12樋口選手に話を伺った。名門、山形南高校から中央大学に進学し、今シーズンはキャプテンとしてチームを率いる選手だ。


これまでのご自身のバスケットボールのキャリアを教えてください。

小学4年まで水泳をやっていて、そこからバスケを始めました。小学6年の時に山形県で3位、中学校は県大会2回戦敗退でした。高校(山形南高校)ではインターハイでベスト4、ウィンターカップでは1回戦敗退でした。大学では1年生から順に2部→1部→2部→1部と昇格降格を繰り返してきました。


山形南高校に進学したきっかけを教えてください。

山形南に進学したのは、バスケットと勉強のどちらの道にも進めるようにするためです。進学のきっかけは地元での山形南の試合を見た時に『真面目で強い』と好印象を持ったことです。山形県には公立高校のスポーツ推薦がないため、しっかりと勉強で入学しました。また、同級生には青山学院大の斉藤選手、神奈川大の高橋選手がそれぞれ関東1部で活躍しています。


中央大学に進学したきっかけを教えてください。

中央大に進学したのは関東の高いレベルでプレイしたいと思ったこともありますが、高校進学時と同様にバスケットと勉強のどちらの道にも行けるようにしてくれる大学だと感じたからです。


昨シーズンを振り返って

個人的には、就職活動とバスケットのいずれにも時間を割いた最も濃いシーズンでした。チームとしてはフレッシュマンを起用したチームだったため、1年生を含め全学年の融合に時間がかかりました。結果としてスプリングトーナメントでは融合しきれずに1回戦敗退となってしまいました。焦りもありましたが、長い目で見れば未完成のチームだったと考え、オータムリーグには期待をもって望めました。また、大きな反省ですが、リーグ開幕当初こそ連勝できましたが、その後全く勝てない時期があったため、今シーズンはそういったことのないように立て直していきたいです。


変則的なシーズンとなったが、今シーズンのチームの仕上がりはどうか

2つの側面があると思います。1つは個人のコンディションですが、活動自粛期間のためまだまだ上がってきていないし、特にシュートの確率に関しては、勘が鈍っているところはあると思います。もう1つはチームに関してですが、チームのルールや決まり事は浸透してきていると感じます。中央大は5年後に創部100年を迎え、その年に日本一になることを目標にしているので、今はそのための基礎造りをしています。


昨シーズンと比較して

大きく3つのことに取り組んでいます。1つ目にはプレイ面に関して、『戦う相手を間違えず、最後までやりきる』ということを心がけて練習しています。2つ目には、バスケットの知識を増やし、セットプレイなどを覚えるだけじゃなく、的確にコート上で表現できる力をつけることを掲げて練習しています。3つ目は、最も重要だと考えていることですが、『プロ意識を持つ』ことを根付かせようと取り組んでいます。例えば、練習の集合時間より早く来てシューティングをすることで、少ない練習時間を無駄にしないようにしたり、スキマ時間でウェイトトレーニングをやったりすることが挙げられます。


今シーズンの「ココが凄い!」というところは?

去年のフレッシュマンたちが2年生になり、経験値のあるチームであることが外から見た中央大学の見所として挙げられます。また、それ以上に中央大学とはどうあるべきかという『文化』を3、4年生がしっかり理解してくれているので、チームにとっては彼らがこれからの世代に良い文化を残していけるであろうというのも魅力です。


昨シーズンと比べて今シーズンの意気込みとは?

そうですね、一番難しいところですね……4年後に(中央大バスケ部が)創部100年を迎え、その年に日本一になることが目標なので、そういった意味では僕の目標の達成は2024年にならないとわからないのですが、今シーズンの意気込みがないわけではなく、今シーズンはトーナメントなどの結果にこだわるよりもチームの内部事情にこだわって、もっと将来を見据えたバスケットをしていきたいです。チームとして段階を一つずつ踏んでいこうと言っていて、具体的には、インカレでベスト4に入るというように話をしています。


オータムカップ2020の初戦・筑波大に対して

基本的には『焦り』をもって準備しています。不安や焦りをチームに植えつけて、どんどん前を向いて練習できるようにしています。個人的には、筑波大には一度も勝ったことがなく、僕が2年生の時のスプリングトーナメント決勝で負けて、そのあとのオータムリーグやインカレでも負けていて、毎年一回は負けています。とても難しい相手ですが、ひと泡吹かせてやろうと思っています。


キャプテンとして一番意識していることは?

自分自身のことに没頭せず、あくまで将来、2024年に優勝できるようにチームの基盤を今整えることが自分の役目だと思っています。また、リーグに向けての取り組みと同様に、『闘う相手を間違えない』『頭を使うバスケットで知識を増やす』『プロ意識を持って取り組む』といったことをチームが徹底できるように声かけなどをしています。


注目選手を挙げてください。

4人が挙げられます。#35清水、#21渡部、#28濵野、#99古河の4人です。まず清水選手を選んだのは、来シーズンにチームの伝統を継承するための中心となる人物であるという理由があります。チームリーダーとして、相当プレッシャーをかけてやってくれていると思います。2年生の渡部選手と濵野選手の2人は、なんとしても日本代表に入れたいと思っているほど才能があるので、注目してほしいと考えています。古河選手は、なんとしてもBリーグに入れたいと考えていますし、彼はグングン成長しているので、去年と違う姿が見られると思うので、ぜひ注目してほしいです。


拓殖大学同様1年で1部に戻ってきた中央大学。初戦の筑波大学は難しい相手だが、勝利を掴むと語ったキャプテンの目には熱い闘志が宿っていた。

苦い思いをしたこれまでの借りを返すかのような、中央大学の戦いを期待したい。

Writer
高道 響(タカミチ ヒビキ)

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