2021.09.14

2年ぶりのオータムリーグ ~明治大学常田選手インタビュー~

今年度、開催が決定した第97回関東大学バスケットボールリーグ戦(通称:オータムリーグ)。

2年ぶりの開催となるリーグ戦となる中、

注目校のキャプテンに意気込みを聞いた。


第4回は明治大学、常田耕平選手だ。


正智深谷高校から明治大学に進学された理由を教えてください。


何校かからお話は頂いていたんですけど、自分の将来を考えたときに「バスケだけじゃいけない」ことは念頭にあって。教員免許も取りたかったので、バスケットを続けながら勉学にも励める大学を考えた時に、文武両面で伝統のある明治大が一番だと思いました。

ただ、一番の理由は、中村吏(正智深谷、4年)が明治大に進学することでしたね。彼とは高校でもずっと寮で一緒だったので、7年一緒にプレーできることはとても魅力的でした。


大学での3年間を振り返っていかがですか?


1年生の時も入れ替え戦にまわって、2年生の時に降格してしまったこともそうですし、3年生の時に1部に戻る力があったのにもかかわらず、コロナでその機会が無くなったり…。順風満帆な大学3年間ではなかったとは思います。

ただ、その中で昨シーズン植松義也(現:ライジングゼファー福岡、21年卒)さんだったり富田(富田一成、21年卒)さんらの一個上の先輩方がインカレへ連れて行ってくれて、下級生にインカレの舞台を経験させてくれたことはありがたかったです。他にも、明治の新しいチームの土台を作ってくれたことも大きかったですし、とても感謝しています。


続いて今シーズンのことをお聞きします。

スプリングトーナメントはベスト32という結果でしたが、振り返っていかがですか?


まず、コロナで大会が延期になった点は大きなマイナスでした。特にコンディションの面では影響はかなり受けました。練習試合を重ねている最中はとても調子が良かったんですけど。開催されるか延期になるか、中止になるか分からない状況で、強化なのか、調整なのか、それともすぐに始まるリーグ戦なのか、どこに重きを置かなきゃいけないかが曖昧になってしまったことで、崩れてしまったのかなと思います。一言でいうと、難しい大会でした。


あとは、自分個人として、自分のプレーを見失ってしまったこともあり、神大の勢いに押されてしまいました。ただ、その負けを通して、自身のキャプテンとしての立ち振る舞いや考えを整理することができたので、そこは収穫かなと思います。

常田さんがキャプテンに就任された経緯を教えてください。


ほぼ昨シーズンから決まっていたというのが正直なところです。

でも実は、入学時点では「絶対にキャプテンはやらない。」って心に決めていて。チームを背負うことに対するプレッシャー、下級生とのコミュニケーション、キャプテンがどれほど責任重大で大きなものかは大学入学の時点で分かっていたので。ただ、学年とかで誰かが柱として立たなきゃいけないので、そこで自分がやるかと心に決めたのはありましたね。あとは昨シーズンから富田さん、義也さんと一緒に副キャプテンをやらせてもらっていたので、すんなり決まったところもあると思います。


さっきも言ったんですけど、周りを気にし過ぎてしまうところとか、自分で言うのも恥ずかしいですけど存在感が大きいことで、チーム内のコミュニケーションが上手くいかないことがトーナメントで浮彫になったので、そこは直していけてるかなと思います。


リーグ戦に向けてチームで取り組んでいることを教えてください。


チームとしては、もう一度徹底したい部分の再確認を全員でしているところです。トーナメントでは神大にうちのセットプレーの対策をされて苦しんだので、スカウティングなどがもっと行われるリーグ戦に向けて、セットプレーの精度を上げること、セットプレーの対策をされたときの準備などをチームでやろうとしています。11試合ある中でシュートの確率だったりの波はあると思うので、そういう時にぶれないディフェンスをするためにディフェンスも伸ばしています。当たり前のことを徹底する形で、特に難しいことはしてないですかね。


個人としては、トーナメントを経て自分に得点力が足りないことを感じたので、トーナメントが終わってから今までそこを意識してやっています。自分は1,2番ポジション両方できると思っているので、2番ポジションから点数を取るパターンも、ボールハンドラーとして得点を取るというパターンも両方に取り組んでいます。



リーグ戦を戦っていくうえでのポイントはどこだと思いますか。


自分が1年生のときのリーグ戦で勝ち星が取れなかったときにネガティブになりかけていたんですけど、今川さん(今川友哲、現滋賀レイクスターズ)とかが「ネガティブになっちゃだめだよ、長いんだからポジティブにやってかなきゃいけない」っていうのを言ってくださって、4年生になった今それを強く感じています。全勝で1部昇格し、インカレチャレンジマッチで勝つというのが明治の目標ですけど、何があるかわからないので、何かあったときにもポジティブにやっていきたいです。ポジティブに前向いて11試合やり切ったら自ずと良い結果がついてくると思います。



リーグ戦の注目選手を教えてください。


平松(平松克樹、福大大濠、1年)ですかね。1年生ながらにいい物を持っていますし、これから必ずブレイクすると思います。中高と今まで培ってきたものもありますし、トーナメントであれだけチームの状況が悪い中、一人だけコンスタトにプレーしていた部分も含めて、正直、大物だなと思いました。彼自身バスケに対する考え方のレベルが高く、練習中に彼から学ぶことも多いので、これからの明治を強くしていくのは彼なのかなと思いますね。


決して順風満帆とは言えなかったこれまでの3年間。

明治を心身両面で引っ張ってきた17番が、

インカレの舞台で再び輝く時を楽しみにしたい。

Writer
谷嶋 瑞希(ヤジマ ミズキ)

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