2020.10.08

オータムカップ2020に懸ける思い~東海大学津屋選手インタビュー~

10月10日(土)から11月7日(土)にかけてオータムカップ2020が行われます。コロナウイルス感染症の影響でトーナメント、リーグ戦が中止となり、今シーズン初戦となるがインカレ出場をかけた負けられない戦いとなる。


今回は東海大学#28津屋選手に話を伺った。スター軍団東海大学を率いるキャプテンであり、デフバスケでも活躍を見せるプレイヤーだ。


これまでのバスケットボールの経歴は?

小学1年の時に誘ってもらってバスケを始めました。最初はあまり乗り気じゃなかったのですが、小学4年生だけの大会で優勝したことでバスケにハマって、そこからはバスケをずっとやりたいと思うようになりました。中学校は私立の青森山田中学校に入学したのですが、中学2年生の時に『もっとバスケが上手くなりたい』と考え、同じ青森県内の津軽中学校に転校しました。ちょうどその頃から年代別の代表に呼ばれ始め、そうしたこともあって高校は洛南高校から声をかけてもらい進学を決めました。


高校での成績は?

高校では、1年生の時にベンチ入りをして、インターハイで3位に入賞しました。当時の洛南には富田頼(洛南→早稲田19年卒、現・富士通RedWolves)選手などがいました。高校2年生の時はウィンターカップでベスト16に入り、高校3年生の時に国体で優勝、ウィンターカップはベスト16でした。


様々なオファーもあった中で、洛南高校に進学した理由は?

ある程度オファーを頂きましたが、洛南高校のOBには比江島慎(洛南→青山学院、現・宇都宮ブレックス)選手や辻直人(洛南→青山学院、現・川崎ブレイブサンダース)選手、アレク(湊谷安玲久司朱、洛南→青山学院、現・BEEFMAN.EXE)さん、森井健太(洛南→早稲田、現・横浜ビー・コルセアーズ)選手など、すごい先輩が名門大学に進学しているイメージがとても強かったし、チームバスケットというか、頭を使ったバスケットをするIQの高い学校ということもあり、洛南に決めました。


洛南高→東海大と進学するのはあまりイメージがないが、東海大を選んだ理由は?

中学2年生頃から世代別の代表に呼ばれ始め、いろんなカテゴリーの試合を見るようになったのですが、その頃から『東海大に入りたい』と思っていました。当時の東海大にはちょうど狩野裕介(現・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)選手や田中大貴(現・アルバルク東京)選手がいて、すごくいいディフェンスのチームだなと感じ、ずっと憧れを抱いていました。自分自身、東海大に入れるなんて全然思っていなかったですが、ずっと『東海に行きたい』と言っていたら、陸さん(陸川章、東海大HC)からも声をかけてもらい、進学することになりました。陸さんにも当時からの憧れのチームであることを伝えたところ、とても喜んでもらえました。


昨シーズンについての振り返り

スーパースターやいろんなタレント性のある選手がいた中で、それをまとめあげる難しさを感じました。タレント揃いだといろんな意見があって、そうした意見をまとめあげる人がいないとまとまりがなくなってしまうなというのもあり、タレント揃いだからこその難しさが逆にありました。高校などの頃から様々な代表に呼ばれ、経験をしてきた選手と、そうした活動にあまり関わってこなかった選手が集まると、話の内容が錯綜してしまうし、練習でも試合で起こりうることの話し合いが、昨シーズンはあまりできていなかったなと思います。スターティングメンバーは大体いつもできていますが、チーム全体としてみた時にあまりできていなかったし、結果もあまりついてこなかったと感じています。


今シーズンの練習について、慎重かつ遅い時期からのスタートだったと聞いているが

7月の終わりから練習を再開しました。4月は3日頃までしか練習ができず、そこから3ヶ月ほど練習が中断されました。7月の初めはゆっくり体を動かして、スキル系の練習やシューティングが中心で、怪我人が出ないように徐々に強度を上げていく感じでした。対人練習が始まったのが9月ごろで、5段階に対人練習のレベルを分けて、2週間ずつ上げていきました。今までと同じ練習の組み方はできないので、大人のスタッフから提案されたメニューを4年生や主要メンバーで話し合って決めていくことが多かったです。身体的なキツさなどは自分たちが一番わかっているので、スタッフからも一緒に考えようと言ってくれました。


今シーズンの取り組みや課題は?

チームの課題は、昨年と同様にタレント揃いのチームをうまくまとめることだと思っています。今年はコロナ禍の状況なので、4年生やスタッフで何度もミーティングをしてきましたし、今後必ず何かしら問題は起こると思っているので、それにすぐ対応していけるようにしたいです。うまくまとめるのはキャプテンである自分の仕事ですし、みんなにとって中立の立場に立たなければいけないと思っています。


昨シーズンとの違いは?

今シーズンは、昨シーズンに比べてチーム全体がすごくサイズダウンしてしまったので、その分の機動力を発揮するためにチームのシステムなども色々変わってきています。昨シーズンのチームも機動力がなかった訳ではないですが、今シーズンはより機動力があって、さらに全員が喋るチームだと思います。今はまだ試合を全然やっていないのでわからないですが、練習の雰囲気を見ると全員が同じ方向を向いていて、いい状態だと思います。


初戦の拓殖大や2回戦の専修大については?

もちろんどの相手にも油断はできません。拓殖大は新しく入った留学生がとても気になります。その他にもいいルーキーが入っているので、彼らがどうくるのかはわからないですが、拓殖らしいバスケをしてくると思います。留学生がいるチームについての守り方などは今もずっと対策しているので、準備はできていると思います。専修大は陸さんが一番気にしているチームです。昨シーズンも負けているし、因縁とまではいかないですが度々対戦する相手ですし、スティーブ(福岡第一→専修)も入ったので、どちらも山場という感じです。専修大もいい選手が揃っているので、ここを越えればという感じです。


練習中断期間の取り組みは?

個人的には、実家に帰ってバスケができる環境のあるところでバスケをしていました。チームメイトも大体実家に帰っていました。それぞれトレーニングもしていましたし、Zoomを利用して週に一度はチームで息が上がるトレーニングをしていました。個人的には、朝にトレーナーの方と卒業生の大倉龍之介(20年卒、現・富士通RedWolves)さんや河村と一緒にナイキのアプリのトレーニングをやっていました。


今シーズン、キャプテンとしての抱負は?

目標はインカレ優勝です。そのためには他のいろんな試合にも勝たなきゃいけないし、他のチームがどういう状況かはわかりませんが、全部ぶっちぎりで勝ちたいとみんなで話しています。個人的には、勝ち負けはやるだけやった結果なので、そのための過程をとても大事にしていきたいです。その過程に後悔するようなことはしたくないし、万が一どこかで負けても『今年のチームはいいチームだったな』と思ってもらえるようなチーム作りをしていきたいです。



河村選手などのルーキーが入ったが、今シーズンの東海大の強みは?

今シーズンはディフェンスのチームです。陸さんにも例年以上にそういうチームにすると言っています。ディフェンス、リバウンド、ルーズボールをしっかりやるチームです。サイズダウンもしましたが、河村選手の加入もあって、機動力のあるチームになっていると思います。あまりサイズがない中でローテーションを回していくので、陸さんがどんな起用をするかは正直わかりませんが、試合の状況に応じた準備はしていきたいです。セットプレイも、3番と4番ポジションでは動きが大きく変わるので、2つのポジションをこなす選手はたくさん練習しています。


今シーズンの注目選手を教えてください。

誰を挙げてもいいと思うんですが、大倉とか八村が活躍するのはもうわかってるので......。西田、松崎、佐土原ですね。西田はエースとしての働きに期待しています。松崎はランニングプレイとシュートが得意な選手なので、持ち味を存分に発揮してほしいです。佐土原は試合慣れもしているし、体も強いので、留学生だろうが何だろうが戦ってほしいです。


昨シーズンは不完全燃焼に終わった東海大学。彼ら本来の力を今シーズンこそ発揮できるのか。

新生・スター軍団の新たな戦いが始まる。

Writer
高道 響(タカミチ ヒビキ)

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