2022.03.01

【新人戦注目校】筑波大 三谷桂司朗選手『2人が居ないからこそ強い筑波を見せたい』

 3月4日からルーキーズトーナメントが2年振りに開幕する。大学日本一の座を懸け、熱戦が繰り広げられたインカレから約3ヶ月。4年生が去り、これからチームを牽引する新世代の台頭が期待される本大会。今回は前回大会上位3チームの新人戦キャプテンにインタビューを行った。


 第1回は筑波大の三谷桂司朗選手。恵まれた体格に加え、相手を置き去りにするスピードと正確無比の3Pシュートも持ち合わせるオールラウンダー。2年生ながら主力メンバーとして経験を積み、更なる進化を遂げる三谷選手にお話を伺った。




 −−はじめに、今までの経歴について教えてください。

 小学生の頃に、広島皆実高卒業生の監督に、「高校は県内で、特に広島皆実高に行って欲しい」と言われていたことと、広島皆実高監督の藤井貴康HCから直々に声を掛けていただいたということがあり、広島皆実高に進学しました。

 高校では、日本代表に呼んでいただいたりしたことで、自分の中のバスケットに対する考え方が変わり、大学では、もっとバスケットをレベルが高い場所で追求したいと思うようになりました。また、その頃から日本人のチームで日本一になりたいという思いがすごくあり、留学生が居ない中でも負けない強さを持っている筑波大で日本一になりたくて、筑波大に進学をしました。


−−今シーズン筑波大は、スプリングトーナメント3位、オータムリーグ6位、インカレ3位という結果でした。この結果を踏まえ、今シーズンを振り返ってみていかかですか?

 昨シーズンは、全然試合に出れずにずっとベンチで先輩方の活躍を見ていて、試合に出れないことは今までになかったので悔しい思いが強かったです。

 トーナメントは、その悔しさを持ちながらずっと練習してきた成果が出た大会になりましたが、やっぱり優勝が1番の目標だったので、3位という結果は正直悔しかったです。

 リーグ戦は、トーナメントの時に代表合宿でいなかった1年生がリーグ戦で合流し、自分のポジションもトーナメントの時は違う形だったので、個人的にも少しフワフワした気持ちというか、集中しているんですけどずっと焦りがありました。トーナメントの悔しさを晴らしたいという気持ちで挑みましたが、結果も6位という全然満足できる結果ではなかったので、チームとしても個人としても悔しい思いが強い印象があります。

 インカレでは、リーグ戦での反省から、必ずディフェンスから入って自分の流れを掴んでチームに勢いを与えられるプレーをするという明確な目標ができ、なんとか優勝をしたいという思いで挑みましたが、結局今シーズンは優勝できず、悔しさ残りました。自分には、今年と来年があるのでその中で絶対に優勝したいと思っています。



−−新人戦に向けて、どのような練習を行っていますか?

 インカレが終わって少し休みがあり、休み明けから新チームの体制が始まりました。AチームとBチームが1つになって練習し、その中で新人戦のメンバーや、Aに上がるメンバーを選考していく期間があり、そこで何人かが上に上がって、今日からまた新人戦に向けてAとB分かれて練習が始まっていきます。


−−チームの現状としてはいかかですか?

 自分の同期の横地と木林が2人とも膝をやってしまって。

 木林に関しては、インカレ前に少し膝をやっていて、そこから新人戦も厳しいんじゃないかって話があったので、ある程度覚悟はできていました。

 横地に関しては、仕方ないことですが、自分の中でも全然予測が出来ていなかったので、怪我したと聞いた時は、新人戦もそうですけど新シーズンの筑波、ちょっと頑張らないといけないなっていう気持ちになりました。

 今は2人とも前向きにリハビリとトレーニングに励んでいるので、僕らもそれをみて負けていられないなっていう気持ちになりますし、2人がいないのを言い訳にして、情けない姿を見せているのもダメだと思うんで、逆に2人がいないからこそ強い筑波を見せるぞって気持ちで練習に臨んでいます。


−−新人戦のキャプテンに、三谷選手が就任された経緯を教えてください。

 推薦組の中から1人決めるんですけど、誰がやるのかってなった時に、「じゃあ、俺が」みたいな。

 僕もそうなんですけど3人ともキャプテンってキャラじゃなくて(笑)。横地も木林も、「俺はやりたくない」と言っていて、僕も今までキャプテンをやったことがないので、できればあんまり進んでやろうとは思っていませんでした。

 消去法じゃないですけど、2人ともやらないなら俺別にいいよって感じで(笑)。1年生の時から決まっていていました。



−−新人戦の意気込みを教えてください。

 主力が少し欠けてしまってはいますが、それを言い訳にせず、優勝することを目標に掲げて頑張っています。今まで僕がずっと試合に出させてもらってた時に先輩に引っ張ってもらった部分を、今度は僕が逆に引っ張る立場になるので、試行錯誤重ねながら、試合の中で選手としてもチームとしても成長できるような大会にしたいと思います。

 

−−練習している中で、新人戦への手応えは感じていますか?

 個人的には順調な準備ができています。チームとしても、この間までずっとセレクションをやってきて、最後試合を行った時に同級生の選手がすごい躍動していて、新人戦楽しみだなって思う選手が沢山いたので、僕としても一緒にプレーできることがすごく楽しみです。



−−注目選手を教えてください。

 1人目は、小川敦也(洛南、1年)です。

 高校から凄く名の知れたプレーヤーだと思うんですけど、練習中も見ていて、本当にやべえなって(笑)。インカレも一緒に出る機会が多くて、その凄さを僕もわかっているので、新人戦で爆発してもらえたらなっていうのがあります。


 あとは、この新チームを考えた時に、インサイドを結構頑張ってもらわないとなんで、

浅井英矢(北筑、1年)と間山柊(福大大濠、1年)です。

 筑波大が全国で通用するには、留学生の高い壁があります。それをインサイドの人たちがいつも体張って戦ってくれているので、僕たちも思い切ってプレーできるっていうのがすごく大きいです。

 勝ち上がったら、2試合目、日本大と当たる可能性が高いんですけど、コンゴローデイビット(報徳学園、1年)っていうすごく強力なインサイドがいて。インカレまでは、井上宗一郎さん(福大大濠、4年)だったり、4年生が大黒柱となって戦ってくれていて、その先輩がいなくなったっていうのは本当に大きい穴ですが、インサイドの2人には、体を張ってそれを埋める活躍をしてもらいたいです。


圧巻の実力で好成績を収め続けたが、優勝には1歩届かなかった今シーズン。

主力メンバーの不在という不安要素もあるが、逆境を撥ね退け、新世代でのトーナメント制覇を狙う。


Writer
田山 穂香(タヤマ ホノカ)

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