2021.04.22

コロナに翻弄された1年を経て~宇都宮大 野上選手インタビュー~

4月23日(金)より、2年ぶりのスプリングトーナメントとなる第70回関東大学バスケットボール選手権が開幕します。


開催記念として、コロナに翻弄された1年を振り返り、その中でも特に大きな影響を受けたチームを取材しました。


第3弾となる今回は、オータムカップ2020が中断となったため公式戦の機会を得ることができなかった宇都宮大学です。


<バックナンバーはこちら>

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まずは自己紹介をお願いします。


宇都宮大学バスケットボール部、主将を務めております。4年の野上陽太です。

現在5部で活動しております。


昨シーズンを振り返って

オータムカップの開催がまだ決定していなかった去年の春ごろ、チームの状況はどのような感じでしたか?


その頃はちょうど大学から立ち入り禁止との連絡が来て、3月までは申請なく活動できていたものができなくなってしまいました。体育館がずっと使えない状態になり、毎年行っていた新入生へのビラ配りや新入生歓迎会も禁止で。複数人で会うのがダメなので基本的には全員家という感じでした。その時にちょうど授業も全部オンラインでという指示なども出始め、もう大学に行かないで卒業かなというぐらい厳しい状況でした。


それでも新入生(現在の2年生)はたくさん入りましたね。


そうですね。新入生が7人ほど入ってくれました。2年生の代が自分たちで企画して、オンラインで新歓を開いて。1週間に2,3回はzoomを開いて新入生と喋る機会を作ったことで、結構人が来てくれました。Zoomの新歓を通して初心者が3人入ってくれたのも、バスケをやりたいと思っている子が来やすい環境を作れたのかなと思いますね。

下部だとバスケやりたいから大学に来るという人がいなくて部活停止になってしまうということもあるので、その点では恵まれていた方だと思います。


では、オータムカップの時期はどうでしたか。1部などが先に大会をしているのを見て、自分たちも準備をしていましたか。


大会前は普段より気持ちが入っていないというか、やはりしまっていないのは感じていましたね。大学からの制限で練習も週1が限度でした。その週に1回の体育館の利用にも正当な理由を大学に提出する必要があり、大変でしたね。その点はマネージャーに感謝です。

気持ちが入っていないと仰っていましたが、そうなってしまったのは個人的にはなぜだと思いますか。


元々計画していたことが全部途切れてしまったというのが各々のメンタルにきましたね。オータムカップの前に、リーグ戦が中止になりましたと連絡が来た時点でくるものがありましたし、新人戦の延期が重なるごとに、出たがっていた下級生の機会は失われていきましたし。そしてなによりも体育館は使えませんし。バスケもできず、バイトなどのバスケじゃない部分でもメンタルがやられていたのかなと思いますね。


その後、4・5部が中止になりましたが、事前に何か聞いていたりしましたか。


自分は何も聞いていなかったです。ないとかあるとかほとんど連絡がなくて、突然でしたね。12月頃、部員といる時に中止のお知らせがラインのグループにぽんと貼られて。結構びっくりしました。


中止になった後はどのような感じでしたか。


中止になって全部なくなり、また一度スパッと何もない時間ができました。


中止となったのが12月でしたが、練習ができない期間はどのくらい続きましたか。


最近になってやっと再開されましたね。中止になった頃、基本的に学内は一個も使わせないと言われていたので、1、2月は各自である程度コンディションを整えておいてくださいっていうぐらいでした。テスト期間も被っていましたし。各々にまかせっきりという感じでしたね。


3月はどうでしたか。


3月は、やっと体育館の申請ができるようになりました。3月の半ばくらいからみんなでできるようになり、そこから変わっていきましたね。


新シーズンが始まって

では、4月に新チームが始まりましたが、チームの現状としてはどうでしょうか。


チーム状態は悪くないと思います。ジムに行っている人や屋外のコートで練習している人もいて、各々のコンディションは絶対に悪くないです。個人のスキルはあるので、チームとしてどうまとめるかは難しいところではありますけどね。でも、戦える戦力はあると思います。


初戦は流通経済大学ですね。


そうですね。一昨年のリーグ戦で負けています。フィジカル面やトーレーニング設備などは向こうが優勢なので、そこの差をどう埋めるかですね。でもやはりスキルで劣っているとは思えないし、個人の1対1となったら勝てる人は揃っているので、それを監督がいない中でどうまとめるかですね。


監督が不在で、練習メニューはずっと野上選手が考えていたと。


そうです。正直とてもきついです。入学した時からずっとほとんどかかわりがない状態で。学生主体というか、学生のみでやっていますね。学生だけでやるのはやはり大変ですけど、面白みや難しさ、やりがいもあっていいかなって。


では、今大会の抱負を教えてください。


スプリングトーナメントは、去年1年間満足に活動できない中で各々取り組んできたことをやっと見せられる機会だなというのがありますね。そういった機会をもらえるというのが幸運だと思います。自分たち下部のチームにも均等に戦う機会が回ってくる大会がようやく開催されるというのが喜ばしいことですね。苦労した中で取り組んできた成果を見せられる機会なので、一戦一戦全力で戦っていきます。


では、シーズンとしてはどうですか。


もういよいよ引退ですけど、自分がいなくなってもチームは続くわけで。チームの今後のことも考えてプレーやコーチングをしなければならないと思いますね。キャプテンとしての責任と、4年生としての責任と、プレーヤーとしての責任を全部果たせるようにしたいと思います。


昨シーズンは試合の機会が無く、1年ぶりの公式戦となる宇都宮大学。

彼らの戦いぶりに注目したい。

Writer
谷嶋 瑞希(ヤジマ ミズキ)

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