2020.10.09

オータムカップ2020に懸ける思い~大東文化大学飴谷選手インタビュー~

10月10日(土)から11月7日(土)にかけてオータムカップ2020が行われます。コロナウイルス感染症の影響でトーナメント、リーグ戦が中止となり、今シーズン初戦となるがインカレ出場をかけた負けられない戦いとなる。


今回は大東文化大学#2飴谷選手に話を伺った。下級生の頃から試合に出場を続け、代表経験や特別指定選手としても経験を積んだ、大東文化大学を代表するプレイヤーである。


はじめに、ここまでのバスケットボールのキャリアを教えてください

自分がバスケットを始めたのは小学4年生の時です。最初はバスケットに興味がなくて、それまではサッカーを趣味程度にやっていたんですが、ある日友達にミニバスに誘われて、行ってみて面白かったなと感じてバスケットボールを始めました。バスケットを始めて数ヶ月で試合に出させてもらい、小学6年生の時にはベストメンバーとして試合に出させてもらっていました。小学6年生の時には全国大会への切符を掴み取り、本来ならそのまま出場する予定でしたが、震災でなくなってしまい、苦い思いをしました。

中学は八村塁(現・ワシントン・ウィザーズ)選手や馬場雄大(現・メルボルン・ユナイテッド)選手、東海大に進んだ笹倉怜寿(現・仙台89ers)選手を輩出した奥田中学校に進学しました。そこでは坂本(穣治、奥田中HC)さんのもと成長はできましたが、3年間試合に出ることはなく、淡々とした生活を送ったかなと思いますが、今思い返せば、坂本先生の教えが活きているなと感じます。実は中学バスケから引退した時には身長が170cmしかなかったのですが、高校入学時には185cmくらいまで伸びて、それもあって高校でも本気でバスケに取り組みたいと思うようになりました。ミニバスの時にバスケに誘ってくれた幼なじみも奥田中だったのですが、2人で富山工高を強くしようということで進学しました。最初、富山工高は強いチームではなくて、自分もうまくなかったので、県大会でもベスト16程度の成績でしたが、顧問の先生が自分のことを『大学でも活躍できる』と言ってくださり、根気よく指導してくれました。高校3年生の時にはインターハイ、ウィンターカップに出場しましたが、どちらもベスト32でした。工業高校ということで、卒業後は就職も考えましたが、全国大会で大東文化大の西尾HCに声を掛けてもらい、大学でもバスケをやりたいと考え、大東文化大に進学しました。大学では、1年目には葛原大智(18年卒、現・レバンガ北海道)選手のもとインカレ優勝という貴重な経験をさせてもらいました。2年生からはスタメンとして試合に絡むようになり、昨シーズンはオータムリーグ優勝もしていて、1年生から3年生のシーズンまでとても濃い経験をさせてもらいました。4年目の今シーズンは集大成として、後々自分の代の功績を誇りに思えるようなシーズンにしたいと思います。


コロナウイルス禍での個人の取り組みは?

体育館が使えないなど、いろいろな制約がありましたが、やはりまずは自分の安全を考えて外出を控えたり、大学の寮でウェイトトレーニングや体幹トレーニングをしたりと、自分のできることを少しずつやっていき、練習再開に向けての準備をしていました。体育館が少しずつ使えるようになった時、今までは当たり前のように使えていた施設が使用を制限しているという環境の中、トレーニングにより集中したり精度がより上がったりとポジティブな考え方で取り組めたと思います。


コロナ禍でのチームの取り組みは?

練習時間やウェイトルームの使用時間に制限がある中で、今までの環境のありがたさを痛感していると思います。こうした状況下で、チームに統一感が生まれたと思います。


今シーズンのチームの仕上がりは?

僕の大学バスケのキャリアの中で、キャプテンだった大智選手や熊谷航(19年卒、現・シーホース三河)選手、中村浩陸(20年卒、現・大阪エヴェッサ)選手を見てきて、大東はそれぞれの代で味があって面白いバスケットになっていると感じていました。コロナウイルス禍による制約のある生活にも慣れ、少しずつチームがまとまってきているので、今年はまた一味違う新しい大東になっていると思います。


今シーズンはチームが大きく変わったと思うが、「ココが凄い!」というポイントは?

今シーズンはサイズの大きい選手が走れるところが強みです。留学生の選手ももちろん走れますし、1番から4番のポジションでサイズアップを図っているので、その選手たちがボールをどんどんプッシュできて、かつインサイドでスコアリングもできるというのが今年の大東の強みです。


新シーズンの意気込みは?

コロナウイルス禍で難しい状況が続いていますが、昨シーズンのオータムリーグは優勝しているので、今シーズンはオータムカップ2020という形での開催ではあるものの、2連覇を目指してやっていきたいです。他のチームの状況ももちろん分からないですし、自分たちの状況もまだあまり定かではない中での試合ですが、去年優勝しているというプレッシャーを跳ね除けて勝ちたいです。また、去年優勝しているからといって驕らずに、チャレンジャーとして臨みたいです。


オータムカップ2020では過去にインカレ等で対戦のある早稲田と日大の勝者と初戦を戦うが、意気込みは?

今はそうした相手を明確に対策する練習はあまりしていなくて、むしろ自分たちのバスケットボールに集中するという方向にチーム全体のベクトルが向いています。相手を意識しすぎず、自分たちで崩れないように練習に取り組んでいます。


今シーズンの注目選手は?

中部第一高出身のメンバーだと思います。大東はAチームに中部第一の選手が多く、星野京介(3年)や中村拓人(2年)、留学生のクリバリ(1年)などがいます。彼らは練習にすごく意欲的に取り組んでいて、さらに高校時代からのつながりもあって連携も優れています。


今シーズンの目標は?

昨シーズンのオータムリーグで優勝しているので、オータムカップ2020はインカレへの第一歩だと思って優勝目指してやっていきたいです。また、昨シーズンのインカレでは筑波大に僅差で負けているので、リベンジをしたいという気持ちもありますが、1年生の時にベンチで味わったインカレ優勝を、もう一度味わいたいと思います。


昨シーズンは下馬評を覆し見事オータムリーグでは優勝を飾ったものの、インカレでは3位と涙をのんだ大東文化大学。

インカレ優勝の喜びを体感した最後の世代が、もう一度その喜びを手に出するのか、注目だ。


Writer
高道 響(タカミチ ヒビキ)

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