2022.03.02

【新人戦注目校】東海大 黒川虎徹選手『今までとはまた違ったSEAGALSを作っていきたい』

 3月4日からルーキーズトーナメントが2年振りに開幕する。大学日本一の座を懸け、熱戦が繰り広げられたインカレから約3ヶ月。4年生が去り、これからチームを牽引する新世代の台頭が期待される本大会。今回は前回大会上位3チームの新人戦キャプテンにインタビューを行った。

 

 第2回は東海大の黒川虎徹選手。昨シーズンはあまり出場機会に恵まれなかったが、広い視野から繰り出される超絶パスと高い得点能力は見る人に強烈な印象を与えた。強豪東海大の新たな司令塔として決意を固める黒川選手にお話を伺った。

 



−−高校・大学の進学理由を教えてください。

 高校は、入野貴幸HCに教わりたいと思ったのと、練習環境や雰囲気を見て、東海大諏訪高に行きたいと考えました。

 大学は、自分をレベルアップさせるために必要な考え方やスキルを得るには、自分より上手い人たちの中でプレーができる環境が必要であると思ったことと、陸川章HCに指導を受けたいと思い東海大に進学しました。


−−今シーズン東海大は、スプリングトーナメント準優勝、リーグ戦優勝、インカレ準優勝という結果でした。この結果を踏まえ、今シーズンを振り返ってみていかがですか。

 一人ひとりが自分のやるべきことを全うし、何がチームにとって最善であるのかを考えることができたシーズンだったと思います。試合に出ている、出ていないに関係無く、試合に絡めていないメンバーも、上の人を倒そうという気持ちで取り組めていたので、そういう面では良かったと思います。周りに遠慮してしまうと、どんどん自分のプレーができなくなり、試合に出られなくなるので、今のように試合に出たいという気持ちを全員が持って、自分の良さや、自分のカラーを出すことがこれからの東海大には必要だと思います。


−−新チームで活動するにあたり、何か心境の変化等あれば教えていただきたいです。

 昨年試合に出ていたメンバーが一気に抜け、去年と違ったチームにしていかなければならないと考えています。昨年の良さは残しつつも、一人ひとりがもっと泥臭いプレーができるようになって、また違ったSEAGALSを作っていきたいと思います。



−−新人戦に向けて、どのような練習を行っていますか。

 新チームになって、自分も含め試合に出ていなかったメンバーが多いので、何か良いプレーをしようとするのではなく、一人ひとりがもっと泥臭くプレーしたり、去年と違ったスピードの速いバスケットを目指したり、そういった部分を意識した練習を行っています。


−−チームの現状としてはいかがですか。

 最初は、新人戦に向かっているという一体感や自覚がなかったのですが、最近は一人ひとりが自覚を持って練習に励み、自分の仕事を全うできるようになってきたのではないのかなと感じています。


−−新人戦のキャプテンに、黒川選手が就任された経緯を教えてください。

 自分が1年生の時に、キャプテンを務めていた津屋一球さん(現 三遠ネオフェニックス)の姿を見て、自分も津屋さんのようなキャプテンになりたいという思いになりました。自分は、やっぱり後ろから付いていくのではなく、先頭に立って周りを引っ張っていかないといけないと考えていたので、自分から希望をしてキャプテンになりました。


−−高校でもキャプテンをやられていたと思うのですが、そういった経験を経たということも関係があるのですか。

 ミニバスの頃からずっとキャプテンをやっていました。チームをまとめるっていうのは大変なんですけど、キャプテンを経験したことがある人や、キャプテンにしか分からない辛さや良さを知っているからこそ大学でもやりたいと思いました。また、津屋さんがチームをリードする、自分を犠牲にしてでもチームをまとめている姿を見て、自分も津屋さんのような自分を犠牲にしてでもチームを勝たせられるようなキャプテンになりたいと思って、キャプテンになりました。


−−新人戦への意気込みをお願いします。

 このご時世でバスケットができるということに感謝して、目先の勝利だけでなく一戦一戦相手をリスペクトして戦っていきたいです。東海大は周りから応援されるチームでなければならないと思うので、応援していただくためには、スーパースターがいるいないに関係なく泥臭いプレーを見せて、昔からある東海大の伝統を受け継いで本大会に臨んでいきたいと思います。

 今までのように、スーパースターが沢山いるわけでもないですし、試合に出てこなかった選手が多いですが、その分チームの一体感やチーム全体で戦う姿を見てもらいたいなと思います。1人が良いのではなく、チームとして何をしなければいけないのかを考えながらやることが大切だと思っているのでそこに注目してほしいです。



−−黒川さんが選ぶ東海大の注目選手を教えてください

 自分と同期の西田公陽(福大大濠、2年)、元田大陽(北陸学院、2年)に注目して欲しいです。

 あとは、去年まで試合にからんでいなかった1年生の小林巧(神戸村野工、1年)と前野幹太(東海大札幌、1年)をぜひ見てもらいたいです。


スプリングトーナメントとインカレでは、惜しくも優勝を逃し、悔いが残る結果となった今シーズン。

この敗北を胸に刻み、伝統であるハードワークを踏襲しつつも、新たなバスケットスタイルで頂点を狙う。

Writer
松村 昂(マツムラ コウ)

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