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2年ぶりのオータムリーグ ~専修大学キング選手インタビュー~
今年度、開催が決定した第97回関東大学バスケットボールリーグ戦(通称:オータムリーグ)。
2年ぶりの開催となるリーグ戦となる中、
注目校のキャプテンに意気込みを聞いた。
第14回は専修大学、キング開選手だ。
アレセイア湘南から専修大学に進学された理由を教えてください。
中原さん(中原雄 前HC)と自分の高校の監督が結構仲が良くて、中原さんが高校の練習に結構来てくれていたのもあって、高校の先輩のフィリップさん(フィリップ アブ、19年卒)や雄貴さん(塚本 雄貴、19年卒)も専修大学に進学していました。それで自分も3年の時に、来ないかっていうのを言っていただいて、実際に試合を見に行った時にいい意味で自由なバスケ、型にはまらないバスケを最大限に表現しているチームだっていうのを感じて、ここでバスケしたら自分がもっと成長できるんじゃないかなと思って専修大学に決めました。
大学での3年間を振り返っていかがですか?
最初のトーナメントなんかはベンチにも入れなかったので、入学当初は大学バスケの厳しさを肌で感じました。でも、決して諦めることはなくもっと上手くなりたいなっていう気持ちが強くなって。1年生の5月頃にセルビアでバスケをするチャンスがあり、そこで自分は海外でも全く通用しないっていう訳じゃないんだなっていうのを知れたのがすごく自信に繋がりました。そこから帰国して、新人戦でスタートになってから1年間はSFをずっとやっていました。得点は海翔さん(盛實 海翔、現:サンロッカーズ渋谷、20年卒)だったり他の人達に任せて、自分は監督に求められたリバウンドとディフェンスだけを精一杯頑張ろうっていう意識で1年間はやっていました。その中で、1年生の頃からインカレ決勝っていう本当に素晴らしい舞台を経験できたことは、自分のバスケ人生の中で1番良い経験だったと思いました。2年生になってからは本格的にプロになりたいという思いが強くなって、その為には、身長的にGをやらなくてはいけないかなというのを感じて優一さん(佐々木優一HC)に相談して、最初はコンボGという形で、SGとPGを両方やることになりました。初めてGをやるので、色々な苦労や失敗はあったけれど、周りの重富兄弟(重富友希、周希、現:ライジングゼファーフクオカ、20年卒)や海翔さんにもアドバイスを貰いました。経験することが1番大事だなと思ったので、そういう面では優一さんにもGやらせてくれたことに感謝してるし、そのお陰で今自分がここまで成長できているのかなと思っていますね。
昨シーズンを振り返ってみていかがですか?
コロナで1ヶ月隔離されて、バスケが全くできない状態になりました。でも、バスケができない状態でも、全く何もできない訳ではないから、そこで自分は何ができるのか。とりあえず体を鍛える、ボールがあればハンドリングもできるし、やっぱりそういうところは怠ってはいけない、ここでやれば少しは差がつくのかなと感じたので、隔離中でも積極的にトレーニングはしていました。オータムカップは、怪我で出ることができなくて。チームで必要とされている存在なのに出ることができないのは自分でも辛かったです。でも怪我は付き物だから、ゆっくり焦らず、もっと上手くなって帰ってこようと思ってリハビリに励んでいました。インカレは、怪我明けではあったけれど、チームを勝たせてあげないといけない存在になっていて、西野さん(西野 曜、現:サンロッカーズ渋谷、21年卒)もいたけれど1人に任せず自分がこの先もっと高いレベルでやるのなら、チームを引っ張っていける存在にならなくてはいけないなと思って、自分がやるんだって気持ちで挑みました。筑波戦はあのような形で終わってしまって、もちろん悔しい思いはしたんですけれど、逆に今思うとあの経験があったからこそ、今、勝ちたい、上手くなりたいっていう思いが強くなっていると思います。最終戦も自分がシュート外して負けてしまったので、責任も大きかったし、今までのバスケ人生の中で1番悔しい経験でした。この経験があってインカレ終わってから、特指だったり自分が上手くなれる環境に身を置いて、更にレベルアップして新シーズンを迎えられたのではないかなと思っています。
続いて今シーズンのことをお聞きします。
まずキングさんがキャプテンに就任されたのはどのような経緯だったのでしょうか。
もちろん新人戦でもキャプテンをやっていたし、メンバー的にも自分がやるのかなって雰囲気があって(笑)。ポジション的にも、Gはチームをまとめる役割だから俺だろうなと思っていました。相談は特にありませんでした。どうせ開がやるでしょ、開でいいでしょみたいな(笑)。
今年度のトーナメントは延期が重なりましたが、どのような影響がありましたか。
個人的に、延期はちょっとマイナスに働いたかなと思っています。5月の前の練習試合では本当にもう、「俺ら無敵やん」みたいな、もうめちゃくちゃ強くて(笑)。どこが相手でもチームの雰囲気がめっちゃ良くて、このままだとマジで今年優勝いけるなとチームの誰もが感じてました。
でも、延期になってしまって怪我人が増えたりして自分たちが思ったような練習ができなくなり、7月になってジャバ(米山 ジャバ偉生、2年)がアンダーの世界選手権が被ってしまって。ジャバは今シーズンうちにとって重要な役割だったので結構いないのはデカくて。けれど、彼も世界で戦うっていう素晴らしい経験をしているから頑張ってほしいなと思っていました。こっちはこっちでまた自分がチームをまとめて頑張るしかないなと思って。喜志永(喜志永 修斗、3年)も延期になったから怪我から戻って来れたっていうのもあったので、ジャバはいなかったけど、チームとしては良い状態でトーナメントに入れたかなと思っています。でもやっぱりGWの時のチームの状態が最高潮ではあったと思います。
今年度のスプリングトーナメントは最後に2連勝し、5位という結果で終えましたが、振り返ってみていかがですか。
日体に負けたのは本当に自分たちのせいで負けたんだなっていうのを感じていて、ゾーン敷かれて、それを対策できなくてそれだけで負けたので。それもそれで1つの経験として次に繋げていかないといけないと思っています。負けた次の日ってチームの雰囲気がちょっと悪くなってしまうっていうこともあったから、そこはやっぱり自分がキャプテンとして雰囲気を下げるんじゃなくてあと2つ勝って終われるようにするのをチームでも話してたから、気持ちを切り替えてしっかり集中して頑張ろうっていうのを本当に試合前も試合中も次の日終わってからも言って、チームを奮い立たせて2,30点差開いた結果が出たから、そこはチームとして大きな収穫になったかなと思います。
個人としては、大学で初の得点王を獲りましたが。
素直に嬉しかったのもあります。今まで自分がやってきた努力がこうやって実るっていうのは、努力を続けてよかったなっていう思いもあるし、ここで満足はできないなっていう、常にハングリー精神を自分は持っているので、更に上を目指したいなっていう気持ちも同時に芽生えました。得点王を獲れたっていうのは自分の中でも大きいし、得点王を獲ったから、次のリーグ戦やインカレでは相手も自分を警戒してくると思うので、もっと警戒された中で自分がどうやって持ち味を出せるか、チームを生かせるかっていうのをリーグ戦で意識していきたいです。
リーグ戦の目標を教えてください。
もちろん優勝です。リーグ戦は最高3位で、どの大会でも万年2位で、優勝したことないのでやっぱり優勝したいです。
一巡なので今までとは違ってやりづらい部分があると思うけど、自分達の持ち味が、ディフェンス、リバウンド、ファストブレイクをやれば全然勝てる相手だと思うし、スケジュール的に多分1番の山場が、東海のホームゲーム、その後のトーナメントを優勝している日大との試合になると感じています。そこを勝てるか、良い感じでいけるかいけないかがその後の試合とかインカレに繋がってくると思うので、そこをベストに持って行けたらなと自分の中で思っています。ここは誰しもが山場だねって思うところではあると思うので、まあ楽しみっていうのもあるし、勝ちたいっていう気持ちもあります。
リーグ戦の開催は2年ぶりですが、リーグ戦を経験している選手が少ない状況で、戦っていくうえでのポイントはどこだと思いますか。
トーナメントも連戦でしたが、土日やって、また平日に1試合といった変則的なスケジュールなので、みんなきつい所があると思うけど、トーナメントの時みたいに、連戦でも自分がチームを奮い立たせて、ここ頑張ろうっていう声を掛けていければみんないつも通りのプレーができると思うし、仮にチームの雰囲気が悪くても、そこで今年は自分が引っ張って、チームを勝たせないといけない存在なので。勝ちにこだわって試合したいなと思います。
注目選手を教えてください。
本当にみんなスキルがあって、見てて面白いバスケをするので全員がキーマンであるとは思うんですけど、挙げるとするならジャバかなと思います。去年から西野さんが抜けた穴は結構大きいと思うけど、ジャバが入ったことで去年とはまた違ったスタイルで、ジャバも体もあるし、走れるし、外も中もできて、身長こそは西野さんよりないけど、身体能力が化け物だから、相手にとっては脅威な存在になるのかなと思います。自分達も去年と変わらず走るバスケを続けられるので、そこは大きいと思います。
絶対に負けたくないチームを教えてください。
全部です。全チーム負けたくないです。別に相手が優勝校だろうがなんだろうが関係ないです。全員NBAチームだと思って戦います(笑)思いっきり、全力で。
最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
自分も4年生になって、1年の時から見てくれていた方も、今年から見てくださった方も、本当に自分達4年生の集大成となるので、最後は専修を応援してくれている人に恩返しができるように、自分達も優勝目指して頑張るので、最後の最後まで応援してもらえたらなと思います。頑張ります。
稀代のタレント陣を揃え、名実共に常に大学バスケ界を牽引してきた専修大学。
トーナメントから代表メンバーも加わり、悲願の優勝は目前だ。